市販のドッグフードのパッケージ裏をよく見ると、
「赤色◯号」「黄色◯号」「青色◯号」 といった合成着色料が使われていることがあります。
しかし結論から言うと、
犬にとって着色料は一切必要ありません。
むしろ、摂取するメリットがほぼなく、避けたほうが良い添加物の1つです。
この記事では、
- ドッグフードに着色料が使われる理由
- 犬の健康に良くないとされる根拠
- 具体的な危険色素(赤色◯号・黄色◯号など)
- 海外規制の状況
- 安全なフードの選び方
などをわかりやすく徹底解説します。

1. 合成着色料とは?
合成着色料(タール色素)とは、
石油を原料として化学的に合成された色素のことで、食品や飲料、加工品によく使用されています。
ドッグフードに使われる代表的な合成色素は以下の通り。
- 赤色40号(Allura Red)
- 赤色3号(Erythrosine)
- 黄色5号(Tartrazine)
- 黄色6号(Sunset Yellow)
- 青色1号・青色2号
- カラメル色素(種類によっては要注意)
これらはおもに “人間が見たときの色” を良く見せる目的で使用されます。
2. なぜドッグフードに着色料が使われるの?
犬にとってフードの色はほとんど関係ありません。
色の識別は人間ほど強くなく、犬は茶色や黄色系の色の違いをあまり認識できません。
それなのに着色料が使われる理由は以下の通り。
✔ 買う人間の印象をよくするため
- 赤色 → お肉っぽく見せる
- 黄色/オレンジ → 野菜っぽく見せる
- 黒色 → 焼いた感・香ばしさを演出
これは完全に “見た目商売” のためです。
✔ 原材料の質をごまかすため
低品質な肉副産物やミールに
人工的な色を加えることで、あたかも「新鮮」な印象に見せられます。
✔ 見た目を均一にしたい
大量生産品は色ムラが出やすいため、
人工色素で均一化し商品価値を上げます。
3. 合成着色料が犬に与える可能性のある悪影響
科学的な研究によって評価は分かれていますが、
以下のようなリスクが指摘されています。
① アレルギー反応・皮膚トラブル
特にタール色素は、体質によって
- 皮膚のかゆみ
- 涙やけ
- 下痢
- 嘔吐
などのアレルギー症状を引き起こす可能性があります。
② 発がん性の可能性(特定の色素)
一部の色素(赤色3号・カラメル色素Ⅲ・Ⅳなど)は、
高濃度での発がん性が研究でも示唆されています。
人間の食品では使用が制限されることもあり、
犬の長期摂取は避けるべき成分と言われています。
③ 行動への影響(多動・集中力低下)
人間の子どもを対象に
「合成着色料で多動性が増加した」という研究が有名ですが、
犬にも同様の影響がある可能性が指摘されています。
④ 胃腸への負担
人工色素は自然界に存在しない化学物質のため、
敏感な犬では胃腸トラブルを起こす場合があります。
4. 海外での規制や注意喚起
- EU(欧州):一部の色素には注意喚起ラベル義務
- ノルウェー・オーストリア:赤色2号などが禁止
- アメリカFDA:安全性評価は継続されているが、論争が多い
- 国際的なペットフードメーカー:合成着色料を使用しない方向へ移行中
安全性に対する疑問が多いため、海外では“避けるべき添加物”として扱われつつあるのが現状です。
5. 原材料表示の見分け方
以下の表記があれば合成着色料です。
- 赤色◯号
- 黄色◯号
- 青色◯号
- カラメル色素
- 着色料(赤◯)
- 着色料(黄色◯号)
- 着色料(青)
とくに 「着色料(赤色102号等)」 など番号付きのものは合成色素です。
6. どんな犬は特に気を付けるべき?
- アレルギー体質
- 涙やけしやすい
- 胃腸が弱い
- 子犬・シニア犬(解毒能力が弱い)
- 肝臓値が高めの犬
これらの犬は合成色素の影響を受けやすい可能性があります。
7. 安全なフード選びのポイント
✔ 着色料不使用を選ぶのが基本
原材料に “着色料” の文字がないフードを選びましょう。
✔ 自然由来の酸化防止剤を使っている
合成着色料とセットで強い保存料が使われていることも多いため、
- ミックストコフェロール
- ローズマリー抽出物
などの自然由来の酸化防止剤のほうが安心です。
✔ 素材の質が明確なもの
「肉副産物」「ミートミール」ではなく、
- チキン
- サーモン
- ビーフ
など “生肉” から書かれている商品を選ぶと安全性が高い。
8. まとめ|着色料は犬に不要。できるだけ避けたほうが良い添加物
合成着色料は犬の健康に必須ではなく、
むしろリスクの方が多い成分です。
- 見た目をよくするためだけの添加物
- 原材料の質をごまかすために使われがち
- 長期摂取での安全性は未確立
- アレルギーや発がん性の懸念もある
そのため、“着色料不使用” は良いフードの最低条件 といってもいいでしょう。
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