ドッグフードの原材料欄でよく見かける“ミール(Meal)”。
一見すると「チキンミール」「ビーフミール」など、肉を乾燥させて粉にしただけのように見えますが、実は品質の幅が非常に大きい原料です。
とくに、市販の安価なフードでは「低品質なミール」「不透明なミール」が多く使われており、犬の健康に悪影響を及ぼす可能性も指摘されています。
本記事では、
低品質なミール系原料とは何か
・なぜ良くないのか
・原材料欄での見分け方
・避けるべき表記の具体例
安心できるフードの選び方をわかりやすく
詳しく説明します。

ミール(Meal)とは?本来は“悪”ではないけれど…
まず理解しておきたいのが、ミールという言葉そのものは悪いわけではないということ。
■ ミール(Meal)の定義
- 肉や魚などを乾燥させて粉末状にした原料
- 水分を飛ばしているため、タンパク質が高濃度
- 適切な部位を使った“高品質ミール”も存在する
つまり、
「良いミール」と「悪いミール」の差が大きいというのが問題です。
市販で問題になるのは、**中身が不透明で品質が低い“低級ミール”**です。
2. 低品質ミールが良くない理由
① どの部位を使っているか書かれていない
低品質ミールは、以下のような人間の食品には使えない残渣(ざんさ)部位が混ざることがあります。
- くちばし
- トサカ
- 内臓の残り
- 骨・皮のみ
- 病気・老齢の家畜
- 加工工場の廃棄物に近い部位
つまり、栄養価が安定せず、品質も不確か。
② 栄養価のバラつきが大きい
“ミール”は粉末化してしまうため、
実際にどんな部位が多く使われているのか判断できません。
タンパク質量は多く見えても、
吸収性や栄養価が低いケースもあります。
③ アレルギーを起こしやすい
複数の部位をまとめて高温処理するため、
たんぱく質が変性しやすく、アレルギーリスクが上がるといわれています。
④ 強い香料・油脂でごまかしていることが多い
低品質なミールは風味が劣るため、
商品によっては
- 動物性油脂(酸化しやすい)
- 人工香料
- フレーバー
などで強制的に“食いつき”を良くしていることも多くみられます。
3. 原材料欄で注意すべきミール表記【具体例】
以下に当てはまる場合は、低品質の可能性が高いと考えてOKです。
避けたい表記の特徴
①「○○ミール」とだけ書かれている
- チキンミール
- ビーフミール
- フィッシュミール
部位が特定されてないため品質が不明。
②「副産物ミール」「○○副産物」
- チキン副産物
- 家禽副産物ミール
- ミート副産物粉
副産物”の時点で、肉以外の残渣部位の可能性があります。
③「動物性油脂」「家禽油脂」など“何の動物か不明”
ミールと併用されていることが多く、低品質の傾向あり。
④原材料欄の最初の位置にミールがある
フードは使用量の多い順に記載されるため、
主原料がミールということになります。
特に「穀物 → ミール → 植物性たんぱく」の流れは、
コスト優先の製造であることが多いです。
4. 安心できるミール/良質なミールの見分け方
“ミール=悪”ではありません。
重要なのは 透明性 と 原料の質。
以下の表記なら比較的安心できます。
✔ 具体的な部位が明記されている
- 乾燥チキン(筋肉部分)
- 乾燥サーモン(身の部分)
- 乾燥ターキー(胸肉)
原料の出所がわかる
- ヒューマングレード
- ○○産サーモン
- 放牧チキン
保存料が自然由来(ビタミンE、ローズマリーなど)
品質管理の努力が見られるフード。
タンパク源が1種類(シングルプロテイン)
アレルギーや消化にもやさしい。
5. ミール系ドッグフードを避けたい犬のタイプ
以下の犬は、とくにミール系の質に敏感です。
- アレルギー体質の犬
- 皮膚トラブルが多い犬
- 胃腸が弱い犬(軟便・下痢が多い)
- シニア犬(内臓負担が増える)
- 涙やけが起きやすい犬
体質によっては、少量のミールでも体調に影響がおこる場合もあります。
6. まとめ|「ミール」が悪いのではなく、“質と中身が見えるか”が大切
市販のドッグフードには、コストを抑えるために低品質ミールを使う商品も多く、
原材料欄でしっかり見分けることがとても重要です。
■ 今日のポイント
- ミールそのものは悪ではない
- ただし 副産物ミール/不透明ミールは避けるべき
- 具体的な部位・産地が明記されていれば比較的安心。
この記事を参考にあなたの愛犬にあった、質の高いフードを
選ぶお手伝いができればうれしいです。
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