市販のドッグフードの原材料欄をよく見ると、
**「BHA」「BHT」「エトキシキン」**といった合成酸化防止剤を見かけることがあります。
これらはフードの酸化を防ぎ、長持ちさせるために使われる添加物ですが、
犬の健康面において 安全性に疑問の声が多い 成分です。
この記事では、愛犬の健康を守るために知っておきたい
- BHA・BHT・エトキシキンの正体
- なぜ良くないとされるのか
- 海外での使用規制や評価
- 原材料欄での見分け方
- 避けたほうがいい理由と健康リスク
- 代わりに選ぶべき酸化防止剤
をわかりやすく解説します。

1. BHA・BHT・エトキシキンとは?
■ BHA(ブチルヒドロキシアニソール)
主に油脂の酸化防止に使われる合成添加物。
ドッグフードの他に、人間の加工食品や化粧品にも使用経験があります。
■ BHT(ジブチルヒドロトルエン)
BHAと似た性質を持ち、酸化防止力が強く、腐敗防止目的で使われます。
■ エトキシキン(Ethoxyquin)
本来はゴムの劣化防止剤として使われていた物質。
その強力な酸化防止力から、一部のペットフードにも利用されてきました。
2. これらが「良くない」とされる理由
① 長期摂取の影響が不透明
研究によって評価が分かれており、
「一定量以下なら安全」とする指摘もある一方で、
長期的な体内蓄積や肝臓への負担が指摘されています。
犬は毎日ほぼ同じフードを食べ続けるため、
慢性的な摂取になりやすい点が問題です。
② 肝臓・腎臓への負担が報告されている
特にエトキシキンは、
一部の研究や専門家から肝臓毒性の疑いが指摘されています。
BHA・BHTも、
肝臓の解毒処理を負担させる可能性があります。
③ アレルギー反応を引き起こす可能性
保存料として微量であっても、
体質によっては
- 皮膚のかゆみ
- 涙やけ
- 軟便
- 嘔吐
などの反応につながるケースがあります。
④ 海外では規制・注意喚起が進んでいる
- 欧州ではエトキシキンの使用が強く制限
- アメリカの一部州では人間食品用途が制限
- ペットフード業界でも使用を避ける傾向が加速
このように、国際的には問題視される場面が増えているのが現状です。
3. 原材料表示の“どこを見ればいい?”
ドッグフードの原材料欄では
以下の表記があれば 合成酸化防止剤が使用されている 可能性があります。
■ 注意すべき表記一覧
- BHA
- BHT
- エトキシキン
- 合成酸化防止剤
- 没食子酸プロピル(PG) も同系統の添加物
特に、「動物性油脂」+「BHA/BHT」 の組み合わせはよく見かけます。
4. なぜ安価なフードに多いのか?
■ 理由①:コストを抑えられる
天然の酸化防止剤(ビタミンEなど)は高価。
合成保存料は非常に安く済むため、
低価格帯フードに使われがち。
■ 理由②:長期保存したい
ホームセンターに長期間積まれるような製品は
強力な保存料に頼る必要がある ため。
■ 理由③:油脂の質が低いと酸化が早い
酸化しやすい油を使っているフードほど
強い酸化防止剤を必要とします。
5. 健康への影響(疑われているもの)
以下は、専門家や一部研究が指摘しているリスク。
- 肝臓への負担
- アレルギー反応
- 発がん性の可能性(動物実験レベルで示唆)
- 命に関わる毒性(特にエトキシキンの高濃度)
- 慢性炎症を誘発する可能性
※もちろん「必ず有害」という意味ではありませんが、
あえて選ぶ必要のない添加物であることは確かです。
6. 安心して使える酸化防止剤は?
ドッグフードの世界では、
下記のような天然由来成分が主流になりつつあります。
✔ ミックストコフェロール(ビタミンE)
もっとも一般的。安全性が高い。
✔ ローズマリー抽出物
自然由来で、酸化防止力も十分。
✔ 緑茶抽出物・ビタミンC(アスコルビン酸)
補助的に使われる。
これらが書かれているフードは比較的安心度が高いといえます。
7. BHA・BHT・エトキシキンを避けたい犬のタイプ
- アレルギー体質
- 涙やけがひどい
- シニア犬(肝臓・腎臓が弱くなる)
- 胃腸が弱い犬
- 肝臓値が高めの犬
- おやつをたくさん食べる犬(累積の問題)
体質とライフステージ次第では影響が出やすくなります。
8. まとめ|“合成酸化防止剤を避ける”だけでフード選びの質が上がる
BHA、BHT、エトキシキンは、
すぐに害があると断言されるわけではありませんが、
長期摂取のリスクが不透明で、国際的にも避ける流れが主流です。
愛犬の健康を考えるなら、
- 天然の酸化防止剤を使っているフード
- 合成保存料に頼らず品質管理をしているメーカー
- 肉の質が明確で、油脂も透明性のある商品
を選ぶことが一番の安全策です。
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